魔王さま100分の2
そのシルキスが、出発前の打ち合わせで言っていた。
『個人的な予想だが、訊ねても、魔王さまは外に出たがらない』
『根拠は?』
『うちの魔王さま』
『私か?』
魔王さまは、その時もシルキスの傍らにいた。
『そうですよ、僕と初めて会ったときのことを思い出してください』
『ああ、なるほどな』
シルキスとペアの指輪をはめた魔王さまは、一言で納得していた。
『ここの魔王さまも、同じような性格をしていたらの話ですどね』
魔王さまと思い出を共有して笑みを浮かべるシルキス。
『それで、魔王さまが出たいと言った場合はどうする?』
キーヤが確かめると、シルキスは即答した。
『そのときは、悪いけど警備を破って脱出することになるな』