魔王さま100分の2

『もちろん、おまえとヘナの安全も考えて後日、計画を練りなおしてからだぞ』

シルキスは付け加えて、用が済んだらおまえ達は早く退けよと念を押す。

用が済んだらとは、勇者のアイオネをしばらく会議につき合わせた後、真実を知らせること。

『まともな世話係なら、このあたりで怒り出して帰りたがるだろうから、その時は全部バラせ』

アイオネに一通りの情報を与えたら、直後に食べ物の話、そして食事休憩というふざけたシナリオを入れたのもシルキス。

『それだと、こちらで拘束するのは僅かな時間だぞ。いいのか?』

『いい』

シルキスは、そこでアイオネが怒り出すことを明らかに期待していた。

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