魔王さま100分の2
シルキスは、身動きできない。
金の魔王さまの命令もあるが、動いてアイオネの手を外せばキスされてしまいそう。
アイオネもまた、そうはさせないように、伸ばした手に精神を集中させてゆっくりシルキス達に近づく。
と、またぐらつくハシゴ。
黒の魔王さまは、シルキスにつかまった状態でジャンプし、自分が立っているハシゴを力いっぱい両足で蹴った。
瞬間、ハシゴの4人を乗せていた部分が崩れて落ちた。
4人も落下する。
「ひゃあああっ」
か弱く叫ぶ黒の魔王さま。
シルキスは魔王殺しを捨て、
その魔王さまを両腕で抱き込んだ。
自分の胸の上に魔王さまの頭を乗せ、
背を地面の側に向ける。