魔王さま100分の2
シルキスは、
視界が白黒したまま魔王さまに訊いた。
「魔王さま、怪我はありませんか?」
「うー、あっちこっち痛いけど、たぶん」
「立てますか?」
「すぐには無理」
「では、そのままで、僕の魔王さまがどうなったか見えますか?」
「えーっと」
黒の魔王さまは、夜の領地を見まわした。
「暗くて分からない、あ、待って、いた」
金の魔王さまは、黒の魔王さまよりずっと小さい分、しっかりとアイオネの胸に抱き上げられていた。
着地も足から出来たのだろう。
シルキスや黒の魔王さまのようなダメージはない様子。