魔王さま100分の2
「ちょっ」
黒の魔王さまは、アイオネをとめる為に立とうとするが、やはり身体が動かない。
「アイオネ、だめーっ、とまってええっ」
「まあ、自分でけしかけたことですから」
シルキスはそろそろと前に出て、黒の魔王さまから離れる。
シルキスにはぼんやりとしか見えないが、アイオネは既に目の前。
アイオネはシルキスを間合いに捕らえ、黒の魔王さまは目を閉じた。
シルキスを確実に殴殺できる位置で、両腕を振り上げるアイオネ。
「この、あほうがっ!!」
お叱りの声とともに、シルキスの顔面へ、ちびサイズのドロップキックが炸裂した。