魔王さま100分の2

「あおうっ」

ぶっ倒れるシルキス。

キックそのものの力はたいしたことはなかったが、角度と踏みつけのタイミングが絶妙すぎる。

「もう一発だっ、いくぞ、アイオネ」

号令が聞こえて、
倒れたシルキスの顔面に、もう一回、小さな両足が降ってきた。

「ぐおっ」

かなり痛い。
額の傷から、血が噴出す。

「気がおさまらん、もう一発だ」
「あの、そろそろ危険では?」

「この程度で私のシルキスが死ぬと思うのか?遠慮はいらん」

「では……」
「すみません、お待ちください」

シルキスは懸命に目を開け、わずかな視力で自分を踏みつけるモノの正体を見る。

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