魔王さま100分の2
「重要なことだ」
「そうですね」
「言い訳はあるか?」
「あっちの勇者が助けてくれるところは確認しましたが……」
「そこで、私にも手を伸ばすのがおまえだろう」
魔王さまは、シルキスの前髪をひっぱる。
「う、すみません、ごめんなさい」
あやまる、シルキス。
「まあ、理屈と結果ではおまえが正解だった。だがな、」
魔王さまは、拗ね声でいった。
「あの瞬間、期待したのだぞ」
魔王さまが、シルキスの額に顔をよせて傷を見る。
「すみません。次は、」
「次などいらん、またこんな流血をしたいのか?」