魔王さま100分の2
金の魔王さまは、やれやれと首をふった。
アイオネが言う。
「ご安心を、外の仮宿にストックがあります」
「でかしたっ」
「でかしてなーい。この状況でそんな情報を与えないでくださいっ。僕に恨みでも?」
「ないとでも?」
アイオネは、シルキスを半眼で見た。
「私は心の底から、塩を塗り込まれて泣き叫ぶあなたの声が聞きたいです」
「うわー」
「外だな」
黒の魔王さまは、門を見た。
「よし、取りにいくぞ、シルキス」
「なぜ、自分を苛めるアイテムを自分で取りに?」
「刑罰というのは、そういうものだろう」
金の魔王さまは、舌なめずりをして言った。
「だれか、本当にたすけてー」
と、
その悲鳴に応えたのか、
魔王さま達が見つめる門が、
前触れなく外から強烈な力で叩かれた。