魔王さま100分の2

ゴオオオオーンッ。

響く、アイオネが蹴り開けたときに匹敵する音。

門は開きはしなかったが、
その場で合わせ目が細かく振動する。

「次は、何?」

アイオネは、厳しい目でシルキスを見た。
シルキスと魔王さまは、顔を見合わせる。

「えっと」
「ふむ」

心当たりを探るふたり。
その間にも、門は激しく鳴り続ける。

ゴオオーン、ゴオオーン、ゴオオオオーン。

「相当、怒ってるな」
「相当、怒ってますね」

「おまえのせいだな」
「やはり、そうでしょうか?」

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