魔王さま100分の2
「許す、連れて行け」
金の魔王さまは、早々にシルキスから降りて見送った。
シルキスの後頭部が、途中でいくつも小石に乗り上げてぐわんぐわん上下するが、本人以外は気にしない。
「痛っ、痛っ、もっと優しくして」
「黙りなさい、人質の待遇としては上等です」
「人質なんだ、僕」
「気に入らないのなら、ゴミに格下げします」
「おとなしく人質しています」
「よろしい」
アイオネは、シルキスを投げ捨てかけた姿勢で頷いた。