魔王さま100分の2
ゴオオオーン。
アイオネが門の前に立っても、外からの打撃は続いていた。
シルキスに問う、アイオネ。
「向こうに立っているのがあなたの仲間だとして、これは攻撃ですか?ノックの一種ですか?」
「そんなの開けてみれ、あ痛たたたたっ、ノックです、ノックですから、いい笑顔で開けてやってください」
足首を握り潰されそうになって、もがくシルキス。
「……」
アイオネが慎重に考えをまとめていると、追加で言った。
「仮に、外にいるのが魔王さま達に害を及ぼすものだったら、僕が先に戦いますので、その手を離してくださいね」
アイオネの手がぴくりと動いた。
シルキスの足をさらに絞める方向に。
「ぎゃーっ、かっこいいこと言ったのにーっ」
「人質は、そんなことまで考える必要はありません」
アイオネは、シルキスの足の裏を使って、門を小さくゆっくり開けた。