魔王さま100分の2
「そ、そうだったかな?」
シルキスは、アイオネに捕まったままの体勢で目をそらした。
「ええ」
ヘナは、シルキスの傍らに屈みこんだ。
シルキスの顔を覗きこんで、自分と目を合わさせる。
「私とキーヤさんが、アイオネさんの足止めをしているうちに、シルキスさまは全ての用件をすませ、アイオネさまが戻る前に島を出る。私にはそう説明されましたよね?」
「ああ、そうだったかなあ」
「これが誰も傷つけない一番の方法だと、私に言いましたよね」
「そ、そうだったかも」
「危なくなったら逃げるからと、私と約束しましたよね」
「う、うん、したね」
シルキスは、続く詰問に汗と血を滲ませた。