魔王さま100分の2

「おおおおおっ」

生まれる熱狂の渦。

去り際、
魔法兵のひとりが仮面の下から見える唇で笑みをつくり、手を振って応える。

その去っていく魔法兵の背をレンズで追っていくと、戦艦と幽霊船本体との戦いも最終局面に入っていた。

戦艦が砲撃を続けながら、幽霊船を完全に包囲した。

強く輝きはじめる5隻の船首。
霧の中の雷とは異なる種の稲光が発生し始める。

幽霊船を円で囲んで繋がる、5隻の船首の光り。

飛竜を全滅させていた魔法兵達が上空高く退避していく。

ギーンッ。

見えない鐘を鳴らす音が響き、円の中で光りが爆発した。



< 25 / 582 >

この作品をシェア

pagetop