魔王さま100分の2
アイオネは、壁に頭をつけて息をついた。
「で、なに?」
「まずあやまる。騒がせて悪かった」
「まったくよ。おかげで私の剣も甲冑もその下の服もぼろぼろだわ」
アイオネは、今着ているあちこち破れたシャツの裾をつまむ。
シャツの上に着ていた甲冑は、無意味に身体に食い込むスクラップと成り果て、蘇生後の息苦しさに負け脱ぎ捨てた。
一応、塔内のテーブルに折れた剣と並べて置いてあるが、どう繕っても二度と使えない。
王国にどうやって言い訳をするか。
考えるだけで頭が痛い。
「こちらで弁償できるものなら、するけど」
「王国の特注武具が魔族経由で手にはいるというのなら、それも問題ね」
「たしかに」
シルキスは相槌をうつ。