魔王さま100分の2
「うん、今日もいつもどおりだった」
アイオネに支えられた魔王さまは、明るい顔で手を叩く。
「いつもと変わらないものを見て、楽しかったですか?」
「まあ、ここからだと他に見るものないし」
「……」
「はははっ、ごめん。私がそんなことを言ったらアイオネが困るよね。深い意味はないよ」
「私は、別に」
「でも、私を気遣った顔をしている」
「魔王さまを退屈させないのも、私の仕事ですから」
「じゃあ、笑って。笑顔」
「こうですか?」
「うわっ、アイオネは作り笑いがへったくそだなあ」
魔王さまは言って、笑う。