魔王さま100分の2
それにしても……、
将来の夢は、お嫁さんのアイオネ。
新婚と言われるとちょっと羨ましい。
戦ったときから気づいていたけど、左手で光っている指輪を見ると、かなり羨ましい。
自分か、魔王さまが、もし男であったらなら。
と、ないないない。
何を想像してるのか。
アイオネは、自分を戒めた。
でも、羨ましい。
じゃなくて、
今は何を考えるべきかというと、
そうそう、自分が魔王殺しを命じられたら……。
「アイオネなら、もしそうなった時にも自然に身体が動くよ」
再び暗い思考に入るアイオネの心情を完璧に読んで、シルキスが口を挟んだ。
アイオネは、むむっとシルキスに抗議した。
「人の心理を、楽に見透かすのやめてくれる?」
「楽ってわけじゃない」
シルキスは、答えた。
「僕がアイオネなら、それしか考えられないだろうってだけ」