魔王さま100分の2
シルキスが勇者の責を追う前の、
子供のころの思い出。
友人、世話になった大人、町の人達、
子供のころに見ていた町の風景。
大人になって忘れていた事を
ひとつずつ掘り返し、埃をどけると、
アイオネに見せる為につくっていたシルキスの笑みが、自身から生まれるものを表す笑みに変わっていく。
その笑みの変化を、
シルキス本人は気づかない。
今この場でただひとり、
傍にいるアイオネだけが見ている。