魔王さま100分の2

アイオネが言う。

「シルキス、あんた今ちょっと油断しすぎ。顔が子供になってる」

「ええっ」

シルキスは、慌てて自分の顔をおさえた。
本当だ、いつもは緩まない部分が緩んでいる。

「微妙なところを訊いたのは悪かったけど、そんなに無防備にならないで。やりにくいから」

「隙だらけだった?」
「これ以上なく」

アイオネは、自分の胸を押さえて小さく息をついた。

シルキスが顔を整ええるのと同様、呼吸を整える。

「えっと、何かダメージを与えちゃった?」

「ええ、生まれたてのひよこを手に乗せられた感じ」

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