魔王さま100分の2
ひろーい浴槽。
いっぱいに張られた湯。
三人プラス、シャチの浮き袋が入っても、手足をゆっくり伸ばせるぐらい余裕がある。
「湯にひたるだけで、ここまで気分がいいとは」
金の魔王さまは、シャチの尾を押して黒の魔王さまにパスする。
「私も、アイオネに教えてもらうまで知らなかったよ」
黒の魔王さまは、流れてきたシャチをヘナに転送。
「……ふうぅ」
ヘナは、うっとりと息を吐き、翼を使ってシャチを金の魔王さまにまわす。