魔王さま100分の2
「これとこれをください」
両手に品をひとつずつ持って、買い求める。
「まいどー、セット料金でまけとくよ」
「どうも」
青年は代金を渡すと、
双眼鏡を傍らの小さな少女に手渡した。
「筒の中は、割れ物ですから落とさないでくださいね。ひもを首にかけて」
「子供あつかいするな」
受け取る少女の指にも鋼の指輪。
ふたりは明るく言い合いながら、
人ごみに消えていった。
──ぷろろーぐ 終わり