魔王さま100分の2
「アイオネか、人間の貴族も良い知識を持っているではないか。褒めてやろう」
金の魔王さまは、シャチの頭を両手で掴んでひっくり返す。
「アイオネも、外なんか気にしないで一緒に入ればいいのに」
黒の魔王さまは、湯船に肘をかけ、外につながる扉を見る。
「ふふふっ、男に肌を覗かれるのが怖いのだろう。初心な娘め」
金の魔王さまは、ひっくり返したシャチを湯に半分沈める。
湯の中で放すと、シャチは勢いよくジャンプ。
水面を跳ねる。
「アイオネは、そういうところが可愛いのだけどね」