魔王さま100分の2
キーヤもシルキスの考えを読み取り、
天馬を引いて、シルキスと歩を同じにする。
「幽霊船の様子は、どうなっている?」
訊ねるシルキス。
「今日の分の情報はまだだ。日が昇ったから、新しい偵察がそろそろ発つころだろう」
「そうか」
海では水生の魔族が、
陸では飛行手段を持つ魔族が、
それぞれの間に中継ポイントを決めて、
情報をやりとりしている。
幽霊船がいるところは、どちらかが単独で知らせに走るならば、往復で数日かかるところだが、
移動距離を分け合うことで、一日に数回の情報をとどけることを可能にしている。