魔王さま100分の2

「ただし、幽霊船にはあまり近づけさせないようにな。遠目からの観察だけでいい」

「ああ、そういう指示で動いている」

今のとこころ、問題の幽霊船は、周囲の魔族に対して良くも悪くも反応していない。

船が起こす暴風圏ぎりぎりで監視を続ける魔族を従え、悠々ゆったりというペースで海上を進んでいる。

では、魔族なら船の中に乗り込んでも平気なのか?

案外そのまま舵を取れるのではないか?

魔族会議で誰もが考え、提案もされたがシルキスが却下した。

そういうことは自分が最初に試すから、待てと。

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