魔王さま100分の2
砂浜に出る一行。
シルキスは、陸に上げてあった小船に魔王さまとヘナを乗せてから、勇者パワーで海まで押していく。
船は苦もなく砂をかきわけ、底を海に乗せる。
「よっ」
シルキスは、海に浮いた船に軽い動作で乗り込んだ。
キーヤは、天馬の背に乗って先導。
仲間が待つところまで案内役となる。
シルキスは、天馬の尾を目印に船を漕ぎ出した。
勇者の力は、ひと漕ぎずつ確実に船を島から離す。
さようなら魔王さまの島。
シルキスは、胸の中で別れを告げておいた。
──魔王さまと朝帰り