魔王さま100分の2
「着てもいませんし、持ってきてもいませんが」
「なんだとっ」
信じられないという顔をする魔王さま。
「海まで何をしに来たっ。たるんでいるぞ、シルキス」
これ以上なく真剣にシルキスを怒る。
「仕方ない、なければ買ってやる」
「買ってやるって?」
魔王さまは、シルキスの肩の上で周囲を見回す。
「あそこだ」
大型の売店を見つけ、指差した。
「いくぞっ」
魔王さまの号令。
逆らうと、さらに怒るか拗ねるかするので、シルキスは魔王さまを乗せたまま歩き出す。