魔王さま100分の2
それもシルキスの手が抑える。
「かなり速度を出していますから、気をつけてくださいね」
魔王さまは、自分の髪を守るシルキスの手につかまって、周りを見る。
隣には、まだ寝ているヘナ。
その向こうに、風に乗って羽ばたく巨鳥の翼。
そして海。
大小の波が生き物のように列をつくってきらめき、どこまでも伸びていく。
さらに首をまわすと、天馬を操るキーヤが前方に。
4つの蹄から光の筋を生み出しつつ、空を駆けている。