魔王さま100分の2
魔王さまが乗っている巨鳥は、
別のエルフが手綱を握り、
さらに逆側と後方には、飛行杖にまたがる人間の魔法使い達の一団がついて来ていた。
魔法使いの何人かが目覚めた魔王さまを見て、仲間内でなにかを言っている。
単純に、『見ろ、魔王が起きたぞ』といったところか。
「おおっ」
魔王さまは、それで頭の中までパッチリ覚めた。
「今は、幽霊船を見にいく途中だな?」
「はい、そうです」
シルキスも、それで魔王さまが本当に目覚めたことを確認した。
「ということは、寝ている間にあの私とはお別れか」
「ええ、あちらの魔王さまもよく眠っていたので」