魔王さま100分の2
シルキスが指したのは、騎手のエルフとシルキス達が乗っている荷台の間。
魔族便で様々な荷物を運ぶ巨鳥なので、弁当を入れるのに適したサイズの小物入れも備えている。
「あれか」
魔王さまは、風に逆らって箱に這いよる。
が、あと一歩。
びぃん。
四つん這いから片手を伸ばした姿勢で、腰から下が何かに引っぱられた。
「なんだっ?」
見ると、知らないうちに腰に巻かれた命綱。
荷台の中央部とがっちり繋がっていて、魔王さまの前進を邪魔している。
「むっ」
魔王さまは、怒った顔でシルキスを見る。