魔王さま100分の2
「これを私に巻いたのは、おまえか?」
「そうですが、今のこの状態になって初めて気づくのが魔王さまらしいですね」
命綱は、魔王さまが巨鳥の背に乗るとき、つまり寝ているときに巻かれた。
「どうして、こういう意地悪な長さにしてある」
「何かあったときに、魔王さまが荷台の外に転がり落ちないように調整しておきました」
「それでは、おにぎりが取れないではないかっ」
「そうですね。そこは忘れてました」
「あほうっ!」
魔王さまは、びんっと張っている命綱を、小さな手でビシビシ引っぱって怒りをアピールする。