魔王さま100分の2
「よしよし」
魔王さまは、機嫌を直してシルキスににじり寄り、おにぎりを手にした。
「あーん」
両手でおにぎりの底を持ち、小さな口をいっぱいにあけて、三角の頂点をかじる。
「お味は?」
「うまいぞ」
もしゃもしゃと口を動かす魔王さま。
二口、三口とおにぎりに食いつく。
ちなみに、おにぎりの中に具は無し。
外側の海苔もなし。
薄い塩味のみ。
魔王さま達が、具入りのおにぎり文化を手に入れるのはまだまだ先。
それでも魔王さまは、美味い美味いと、3つのおにぎりを一気に平らげた。
「お茶もありますよ。飲みますか」
「飲む」