魔王さま100分の2
「では、これを持ってください」
シルキスは、水筒の蓋を魔王さまに手渡す。
その蓋をカップにして、お茶をこぽこぽ。
「はい、どうぞ」
「うむ」
魔王さまは、八分目まで注がれたお茶を、やはり両手を使って一口ずつ喉に流す。
そして、半分まで飲んで感想と意見。
「最初に水筒の蓋を器にするのを考えたやつは天才だな、褒めてやる。魔族か?人間か?」
「さあ?どちらでしょう?」
今、シルキス達が使っている水筒は本体も蓋も木製。
カップ状の蓋と本体の先がぴたっと収まるように、互いにネジを切ってある優れものだ。