魔王さま100分の2

「幽霊船には、いつ着くのだ?」

食事を終えた魔王さまが、葉と水筒を片付けるシルキスに訊いた。

「陽が海にかかる前までには着くとのことです」

「昼から出て、それまでには着くのか、意外と近いな」

「ええ、天馬と巨鳥でかなりとばしていますので、そう感じますね」

空を全力で翔る天馬と巨鳥の速さは、風や弓矢に例えられるほどの超スピード。

地上を走るどんなものとも比較にならない。

今回の幽霊船の速力が旧型の帆船並みだとすると、その10倍はいくだろう。

そこに騎手を勤めるエルフ読みが加われば、実際の差はさらに広がる。

帆船で7~10日距離ならば、エルフを乗せた天馬や巨鳥では半日以下の道となる。

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