魔王さま100分の2
「天馬や鳥が速いのは分かった」
魔王さまは、腰をあげる。
何をするかと思えば、弁当の片づけを終えて戻ってきたシルキスの膝の上に座る。
座った状態で、シルキスの胸に頭をつけて魔法兵達を見た。
「では、あの魔法使い達も相当速いことになるな」
「そうですね。思ったよりもよくついて来ます」
シルキスは、魔王さまのお腹に腕をまわして抱きとめる。
速度や姿勢は安定しているが、流れる風は変わらず強い。
「よくついて来るか、なるほど」
魔王さまは、顔をあげてシルキスを見た。
「おまえ、偵察のついでに魔法使い達の限界を調べているな?」