魔王さま100分の2
魔法使い達も、同じ船に順に降りてくる。
船の大きさは、イアリミアが海戦ショーで使った戦艦とほぼ同サイズ。
帆はなく、魔力機関の動力のみで動くのも同じ。
異なるのは、船内に納めらている砲弾は実弾であり、船員は全て魔族であること。
手足に水ひれをつけたマーマンや、
天性の機械職人であるドワーフ、
両手が大きな翼となっているハーピー、
一見、大型の鳥と区別がつかないが人語を操る大鴉が、魔王さま目当てに集まってくる。
さらに、先に降りていたキーヤがこの船の船長を連れてやってくる。
「はじめまして、魔王さま。船長を勤めるガナクと申します」
魔族にしては珍しい、人間用のフォーマルな船長服を着込んでいるガナク。
白い手袋をはめた手で帽子をとると、細長い龍族の顔が現れた。