魔王さま100分の2
今ごろ、この船の戦力を含めた報告を伝えているだろう。
なるべく温和な伝えかたをしてくれてるといいが……。
また世界のバランスに石をなげちゃったかなとシルキス。
で、その石の大元の魔王さまはというと、
「そうだ、私が魔王だぞ。崇めたい者は、好きなだけ崇めるといい」
皆に歓迎されてご満悦。
船員のひとりひとりに挨拶されに、自分から甲板の端から端まで歩きまわる。
あ、今、菓子っぽいものをもらった。
すごく喜ぶ。
平民に愛される王様の図ではない、
旅先で遊んでもらっている子供そのものだ。