魔王さま100分の2
魔族の連中は、あらためて魔王さまに敬意と愛を。
人間の兵士達は、仕方ない、圧倒的な大海獣の存在に全員固まっている。
勇者のシルキスは、体質なので、相手がどれだけ巨大でも魔族に恐怖は感じない。
殺意は、まあ、逆にこれだけ相手が巨大だと生まれてしまうのだが、間に魔王さまがいるので最小で抑えた。
サーペントの方もそれは同じらしく、魔王さま越しに、これは敵なのかと巨大な目玉でシルキスをギロリと見据える。
魔王さまがサーペントに言う。
「こいつは大丈夫だ。私の一番近くにいることを許した男だ」
それで理解したのか、サーペンとはまた愛らしく鳴いた。
「きゅー」