魔王さま100分の2

「よしよし賢いな」

魔王さまが褒める。
賢くなかったら今ごろ大惨事だ。

「魔王さま、そろそろここも発ちますので、挨拶はこのあたりで」

「ついたばかりだぞ?」

「ここには最小限の休息と情報交換のためによりました。本当の目的地はこの先の幽霊船です」

「そうだったな」

魔王さまは、サーペントを撫でていた手をとめる。
そして、サーペントの鼻先を押し、命じる。

「ごくろう、よい挨拶だった。海に帰れ」
「きゅー」

サーペントは、ゆっくりと海の中に戻っていく。

いきなり動くと波で船が沈むくらいの知識はあるらしい。

なければ、やはり大惨事だ。

< 369 / 582 >

この作品をシェア

pagetop