魔王さま100分の2
「よしよし賢いな」
魔王さまが褒める。
賢くなかったら今ごろ大惨事だ。
「魔王さま、そろそろここも発ちますので、挨拶はこのあたりで」
「ついたばかりだぞ?」
「ここには最小限の休息と情報交換のためによりました。本当の目的地はこの先の幽霊船です」
「そうだったな」
魔王さまは、サーペントを撫でていた手をとめる。
そして、サーペントの鼻先を押し、命じる。
「ごくろう、よい挨拶だった。海に帰れ」
「きゅー」
サーペントは、ゆっくりと海の中に戻っていく。
いきなり動くと波で船が沈むくらいの知識はあるらしい。
なければ、やはり大惨事だ。