魔王さま100分の2
「で、水着はどこですか?」
「これだ」
魔王さまは、シャチのお腹で隠れた袋をシルキスに渡す。
「ちゃんと買えたようですね」
言って、
袋をあけたシルキス。
中に入っていたのは、女性用の水着。上下に別れたビキニタイプの水着だった。
ついでに言うと、色は黄色。
魔王さまサイズ。
「あのう……」
「いや、今来ている水着も大事にするぞ。おまえがくれた思い出の品だからな」
魔王さまは、シャチを振りあげて続ける。
「だが、さっきまで浜辺の人間達を見ていて思ったのだが、やはり身体を覆う部分はこれくらいで十分ではないか。
「人間の女どもがあたりまえの顔で着ているのだ、私がそうして悪いはずが、うぐっ
魔王さまの口を押えるシルキス。
「人間達とか、女どもとか、魔族を感じさせる言い方はひかえてください」
こくこく。
魔王さまは、うなずく。