魔王さま100分の2
魔王さまを十分泣かせたアイオネ。
自分も泣きやむと、
魔王さまを抱いてハシゴを降りる。
鎖と勇者パワーで尖塔の中心部分に巻きつけられているハシゴの根元。
プラス接着剤で、頑丈に固定されている。
アイオネは、降りたついでにその鎖とハシゴが傷んでいないか確認した。
魔王さまにひとりで登るなと言ってあるのは、いくら頑丈といっても、ハシゴが倒れる心配があってのこと。
今日のところは大丈夫だったが、自分のいない7日の間にどうなっているかは、直接見るまで分からない。
魔王さまには、本当に自制して欲しいのだが、当の本人は、ハシゴから降りるなりケロリと全回復。
「あー、今日も激しかった」
と、健やかな顔で伸びをしている。
明日も明後日も同じことを繰り返すのだろうなと、アイオネは思いつつ、
尖塔の中心からやや離れた、斜めの屋根につけられたドアを開ける。