魔王さま100分の2
「魔王さま、さっそくですがひとまわり見せてもらいます」
「どうぞ」
ドアよし、壁よし、床よし、家具その他よし。
横にくっついてくる魔王さまを連れて、
塔の室内外を一通り点検、問題なし。
で……、
ふいに天井が気になった。
予定には天井の点検はなかったが、
床を調べているのに天井が手付かずというのが非常に気になった。
「天井の様子も見ますね」
軽い気持で言ったアイオネ。
「どうやって?」
「こうです」
軽くジャンプして天井にさわって見せた。
ら、
さわった天井の石がひとつ落ちた。
ゴロッ。
「え?」
そして、続けて落ちてくる石々。
「あははははっ、壊したっ、壊したっ」
腹を抱えて大笑いする魔王さま。
初日で、天井に大穴を開けてしまった。
大事だ。