魔王さま100分の2

もちろん、そのことは包み隠さずに報告した。

が、王国からは、

『専門の技師を派遣するまで待て』

の簡単すぎる返答。
イアミリアのからは、

『必要な機材を提供しますので応急処置してください、あなたが』

やる気のない寛大すぎる指示。

後日、
アイオネはしくしく泣きながら、

空いた穴をちょうどいい感じで塞げる普通の家のドアを、

屋根の上から、ドアと一緒に注文した強力接着でくっつけた。

生まれて初めの大工仕事。

「おー、直った、直った。アイオネは凄いなー」

悪意なく褒めてくれた、魔王さまの言葉が忘れられない。

< 46 / 582 >

この作品をシェア

pagetop