魔王さま100分の2
「凄いお願いってなんです?」
「新しいシャチをふたつ買え」
「あはは、魔王さまは可愛いですね」
シルキスは、姫さま抱っこしている状態で器用に魔王さまの頭を撫でくりした。
「ふたつ買ってくれるのか?」
「ひとつにしておきましょう。持ち運びが大変です」
「ケチ」
魔王さまはシルキスに頭を撫でさせたまま、足をぶらぶらさせて横腹を蹴る。
そんな、いちゃつくやりとりをジト目で眺めるアイオネ。
割り込むタイミングを計っていると、アイオネの方の魔王さまも起きてきた。
「おはよー」
目をこすりながらアイオネの傍に立ち、こっちはこっちで当然のように、アイオネに身なりを整えてもらう。