魔王さま100分の2
「ひとりで着るのが寂しいなら手伝いまずが、着替えはあるのですか?」
「たくさんあるぞ」
えっへんと、魔王さま。
アイオネが、自分の魔王さまの寝癖チェックをしながら言う。
「ええ、そちらの魔王さまご自身が、お供の巨鳥を使って大量に持ち込まれました」
「大量というと?」
「ひとコンテナ分、満載で」
「……それはまた手間をとらせたな」
「どうということはありません。と、言っておいてあげます」
コンテナとは、魔族便で使われる特大の輸送容器。
たいていは金属で作られた立方体の箱。
強度とサイズは、頑張れば屋根に人間が50人乗れるとか100人いけるとか。