魔王さま100分の2

「おお、そういえばここに運んでもらったな。忘れてたぞ」

「あの辺りの真新しい衣装棚が魔王さまの持ち物ですね?」

「そうだ。自分で買ったわけじゃないので、つい見逃してしまうのだ」

「王様感覚ですね……」

またまた魔族の連中が、魔王さまの荷物を、もうひとりの魔王さまの塔に運ぶと聞いて、大枚を張り込んだに違いない。

棚に入っている衣装は、どれだけの物になっているのか?

開けて確かめるのが怖い。

「王がどうしたかは知らんが、あれらを買ってくれた者達は、シルキスが寝ている今が寄進チャンスだとか言ってたな」

「少し隙を見せただけでこれですか……」

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