魔王さま100分の2

どうせ、ドアを使うと提案した時点で却下されるだろう。

……されなかった。

どうせ、すぐに技師が来て頑丈に塞いでくれるだろう。

……技師はずっと来ない。

なんて、いいかげんな。
誰も、この問題を真剣に考えない。

答えをくれない。
腹が立った。

そして、開け閉めできる天井を喜ぶ魔王さま。

天気がいい日は、
必ず屋根の上に出たいと言うようになって、

「少しだけですよ」

アイオネは毎回そう言いながら、魔王さまを運んでやった。

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