魔王さま100分の2
「でね、アイオネがそう言って苛めるんだよ」
「それは、アイオネが正しいです」
シルキスのところまで引っぱられた魔王さまは、鷲掴みから開放されると、すぐにシルキスに報告。
シルキスにあっさり袖にされる。
「シルキスまでそう言うの?」
「僕も勇者ですから」
答えるシルキスは、
アイオネから大量のレンガ入り木箱を、
鉄棒を揺すって悔しがる黒の魔王さまから、小さめのレンガをひとつ、手渡ししてもらう。
シャベルでの下掘りはすでに終わっており、シルキスは受け取ったレンガをほくほくと積んでいく。
「じゃあ、私はどうやってアイオネを取り返せばいいの?」
「そういう難しいことは、その時になってから考えましょう」