魔王さま100分の2
「まあ、血を流しあうより。恥ずかしい話のほうがいいだろう?」
「本当にそんな噂を流したら、絶対に許さないからね」
「おお、絶対に許さず殺しにくるそうだぞ。ますます効果ありだな」
「やったあ、アイオネは私に会いに来てくれる」
もう、アイオネが何を言っても泥沼だ。
黒の魔王さまは、勝手に盛り上がる。
アイオネは、手の中のレンガがなくなると荒い声をあげる。
「燃料をとってきますっ。薪ですかっ?炭ですかっ?」
「両方だ」
答えたのは、金の魔王さま。
楽しげに、尊大に。
「じゃあ、私はアイオネを手伝ってあげるね」
そして、黒の魔王さまはお気楽。
怒らせたばかりのアイオネに腕を絡ませてついて行く。