魔王さま100分の2
シルキスは、自分の魔王さまに言う。
「ここの魔王さまは、素直ですね」
「私は、ひねくれているみたいな言い方だな」
「いえいえ、ただ」
「ただ?」
「前の塔にいた時の魔王さまは、こんなに真っ直ぐ僕が必要だと言ってくれなかったなあと思って」
「お前に平穏な人生を送らせてやろうとしていた私の優しさだ」
「それは分かっていましたけどね」
「分かっていて、無駄にしたあほうめ」
「魔王さまが可愛かったせいですよ」
「過去形か?」
「今も」
「うむ、よい回答だ」