魔王さま100分の2
「むむむ、だが、ひっくり返す役は私がやるぞ。いいな」
シルキスの背中で料理バサミを構えて鳴らす、金の魔王さま。
こういう時は働き者だ。
「分かりました。それから前掛けは暑いからといって外さないでくださいね。大事な服を汚したくなければ」
「うむうむ。おまえもな」
金の魔王さまは、自分とおそろいの前掛けをしたシルキスに言う。
「じゃあ、私は火を足す係り。どんどん燃やすよ」
「必要になれば、私かシルキスからお願いしますので、その時まで食べることを優先してください」
「はーい、でも、こんなにたくさん食べるのも初めてだね。私、食べられるのかな?」
黒の魔王さまは、ようやく手放した薪を足で転がしながら言う。