魔王さま100分の2
「ほら、もうここらはひっくり返さないと焦げますよ」
「それは、いかんっ!」
鉄板の上で今、最も火力が高い場所を教えられ、魔王さまはひっくり返し任務に就く。
ひとつひとつ、ハサミで掴んでえいえいとひっくり返していく魔王さま。
これでしばらく、少なくとも自分が食べ出すまでは静か。
けど、火傷は心配なのでシルキスは目が離せない。
そして、金の魔王さまがやりだせば、黒の魔王さまもやりたがる。
「私も、ひっくり返したーい」
「これを使ってください」
予測していたアイオネはもうひとつのハサミを渡し、シルキスと同様にハラハラしながら
自分の魔王さまを見守る。